テレビ番組での捏造について

日記らしくたまには時事ネタも、ということで、「戦略的本質主義を乗り越えるために(3)」はまたまた後回しにして(養田さん、せっかく「議論の続きを楽しみにしています」と書いてくれたのに、すみません、近日中には書きます)、「あるある大事典」で話題になっているバラエティ番組での「捏造」について書こうと思います。あるコメンテーターが、捏造する番組制作側や放映するテレビ局が一番悪いけれども、視聴者も嘘を見抜く情報リテラシーをもつこと、そして専門家は専門家でしか分からないことがあるのだから、バラエティ番組だからとチェックや抗議をしないのではなく、テレビ局が抗議を無視してもさまざまなメディアを通じて嘘を明らかにすべきだというコメントをしていました。最後の専門家の社会的責務としての抗議ということに関していえば、テレビ局はまず無視をするだろうから、これはかなり虚しい作業だなぁと思いますが、それで思い出したのは、神戸大学の吉岡政徳さんの行なっている「専門家の社会的責務としての抗議」です。
最初は、吉岡さんの調査研究しているヴァヌアツを舞台にした「ワレワレハ地球人ダ」というバラエティ番組がフジテレビで放映され、その番組での「未開人の捏造」に対して、吉岡さんがフジテレビの番組プロデューサーに抗議したということで始まります。その顛末は、吉岡さんのホームページに書かれています。その後も吉岡さんは、ホームページ上で、同じフジテレビの「あいのり」や「世界の絶景100選」での「マスメディアが描く異文化」の嘘を暴いています。この機会にご一読を(それにしてもフジテレビ系が多いのはフジテレビの体質なのか、あるいは吉岡さんが、最初の抗議を無視したフジテレビを集中的にチェックしたのか、どうなのでしょうね)。

http://ccs.cla.kobe-u.ac.jp/Ibunka/kyokan/yoshioka/yoshioka-tv.html