ローランさんのコメントへのコメント

 ローランさん、私の言いたいことに繋げてくださってありがとう。ローランさんは、

人類学が貢献できるものがあるとすれば、それはレヴィ=ストロースの「真正/非真正」や、小田さんの「対話的自己による(納得)自己選択/市場による(強制)自己選択」のように、大雑把に一つだとされているモノを区切って「それらは実は違うものなんじゃないか(区別したほうがいいんじゃないか)」と提示していくことなのではないかな、と思いました。

と書いてくれています。
そのような微妙な区別は、人々が生活の中で実際に行っているものです。それは、「自分にとって疎遠な力が決定した法によって編成された土地、他から押しつけられた土地でなんとかやっていかざるをえない」(セルトー)とき、選択の幅(市場における選択の幅ではなく)を広げたり(というか選択という意味をずらしたり、と言ったほうがいいかもしれません)、自分にとって疎遠な力が支配・決定していることに別の意味を加えたりすることが可能となるのは、そのような区別をしているからです。人類学は、実際に行っているそのような区別が重要なのだということを提示できるほとんど唯一の学問だと思っているのですが、他の学問分野に対してなかなかそのことを通じるように述べることが難しく、また、人類学界でも、社会に役に立つことを市場原理によってしか語れない人たちがいますし、・・・・(愚痴を4行削除)。
まあ、これまた、言い続けるしかないのでしょうね。