キャリアデザインって。。

ちょっとブログ日記らしい記事を(でもどうかなあ)。
このあいだちょっと「キャリアデザイン」という語について触れました。新しい言葉は嫌いじゃないほうで、自分でもけっこう使うほうだと思うのですが、この言葉はどうも好きになれません。好きになれない新しい言葉というと、あとは「成熟社会」って言葉ですね。「(高度)消費社会」とか、「後期資本主義社会」でいいと思うのですが、何が「成熟」しているといいたいのでしょうかね。内容的には幼稚化している社会を指しているのに。
さて、キャリアデザインという語がいったいどれくらい使われているのだろうと、Googleで検索したら、最初のほうに出てきた法政大学キャリアデザイン学部のホームページに、

「キャリアデザイン」、それは「自分らしい生き方」を見いだし、そのために必要な知識・技術を身につけ、意識的に自分らしい生き方を実践すること。職業上の能力に限らず、家族生活、コミュニティの一員としての生活、社会的活動などを通じて、トータルに自分らしい生き方を追求していくことです。
キャリアデザイン学部では1年次に、自分の適性や能力、将来を考える「入門ゼミ」を設定。「キャリアアドバイザー」によるきめ細かな履修指導、学習支援、進路指導が実施されます。また、自分専用のカリキュラム編成や、フレックス・プログラムも特長です。

とありました。「自分らしい」のオンパレードです。「自分らしい生き方」って、何を意味するのでしょうね。「『自分らしい生き方』を見いだし、そのために必要な知識・技術を身につけ、意識的に自分らしい生き方を実践すること」を教育するっていうのも、何か変だと感じないのでしょうか。「自分らしい生き方をするために必要な知識・技術を身につける」教育ということなんでしょうけれど。そのための知識・技術が、自分の適性や能力を知る技術ってことなのかなあ。まあ、自分の無知や能力のなさを知ることは大事ですからね。しかし、はい、あなたの適性はフリーターです、能力は下の下ですということを「入門ゼミ」でやったのでは、消費者としての学生のニーズに応えられないでしょうから、違うかな(「消費者としての学生のニーズに応えよう」とか思わない限り、こんな学部を作ろうとも思わないはずですから)。こんな学部に入りたいと思う学生が多いこと自体、憂うべきことのような。