2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『新型コロナ19氏の意見』の2人の人類学者のエッセイを読む

再開以前はこのブログの読書ノートに人類学の本は取り上げないという方針でした。それは、専門的になりがちだからという理由と、人類学の文献については大学のゼミで取り上げたり授業のなかでコメントをしたりしていたからでした。けれども、今後は人類学の…

「新しい日常」と具体的な他者への配慮としての倫理

また、COVID-19の話です。タイトルは別にしましたが。 さて、東京都など首都圏4都県と北海道に出されていた緊急事態宣言も解除されることになりました。気持ちや行動をどのように変えればいいのか(しかも段階的に!)、よく分からないというのが正直なとこ…

人類学的視点からみたポストCOVID-19社会(3)

今回は、「人類学的視点からみたポストCOVID-19社会(1)(2)」の続きです。そこでは長くなりすぎるので省いた話やその後の論考を読んで考えたことなどを書きたいと思います。 今回のパンデミックに限らず、恐慌を含めた大きな災害があると、たいていその…

日本の「奇跡的で奇妙な成功」

2か月以上も何もアウトプットしていなかった反動か、しはじめると調子に乗ってつづけたくなります(ツイッターじゃないんだからそんなに頻繁にしなくてもね)。今回も新型コロナウイルスの話ですが、前回までとは違った角度からの話をします。 共同通信によ…

人類学的視点からみたポストCOVID-19社会(2)

前回、〈コモン=共〉における相互扶助(「共助」)による社会のあり方に目を向けることが、ポスト・コロナ社会を考えるうえでも重要な人類学的視点となるというところで終りました。今回はその続きです。〈コモン=共〉について、ネグリとハートは、『コモ…

人類学的視点からみたポストCOVID-19社会(1)

およそ10年と7か月ぶりにブログを再開することにしました。今年の3月31日に大学を定年退職して、大学教員にとって日常的なアウトプットであった授業がなくなって、そろそろ何かを発信したくなってきたというのが再開の理由です。そもそもこのブログを始め…